ここは大胆にも私たちが石に関する皆様のお悩みを解消しようという試みの場であります。まったく解決にならない場合や、より悩みが深まる場合もあるやもしれませんが、
     そこはそれ広い心で納得していただきたくお願い申し上げます。

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注 意
 ※ 石の鑑定は受け付けておりません。
 ※ 産地に関するご質問は、このコーナーではお答えすることはできません。
 ※ 相談を含むメールは、基本的にこのコーナーで紹介させていただきます。
    メールでも可能な限り返信いたします。
 ※ もし、都合が悪い場合は、その旨お書きください。
 ※ ケンゾーにはなれませんでした。 スミマセン、スミマセン。
以上、申し訳ありませんが、ご了承下さい。



 Q42

   石ってなぜ硬いんでしょう。
   子供に「なぜ?」って訊かれて、どう答えたらいいのかわからなくなっちゃたんです。

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 A  りょう

   そ、素朴な疑問ってやつですね。
   確かにそうだ。
   難しいことをいうと分子がどうのこうのっていっちゃえば説明はできるんでしょうけど、
   そんな説明で誤魔化したくないですものね。

   んー、
   ……いっそのこと、石は実は軟らかいってのはどうでしょう。

   ほら、紙みたいに実はふにゃふにゃ。
   コピー用紙をもってきて、ほーら石はこれと同じで、折るのも破くのも簡単なんだよーって。

   でも、でもですよ。
   そのコピー用紙が500枚とか1000枚とか束になってたらどうでしょう。
   とたんに破くことも曲げることすらもできないほどカチカチになってしまうじゃないですか。

   実は石ってこれと同じに考えることはできないでしょうか。
   紙よりももっともっと薄くて小さい物がギュッと束になっているから、カチカチなんだど。

   あ、この考え、けっこうナイスかも。


   ツッコミは、なしということでお願いいたします。



 Q41

   紫水晶はアメ「ジ」ストではなくアメ「シ」ストなのではないでしょうか。

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 A  くみ

   そうですねー。
   「シ」なのか「ジ」なのか、発音の違いでしかないですから、
   私はどっちでもいいと思っているんですけどね。

   リチア電気石とかリチア輝石とかの「リチア」も、「リシア」になっていたりするし。

   でも、もともとの語源はギリシャ神話に登場する美少女「アメシスト」ですから、
   厳密にいうなら「シ」が正解ですね。

   10年くらい前まではどんな本も「アメジスト」って書かれていたんですよ。
   しかし、ここ最近は完全に「アメシスト」が主流になっちゃいましたね。

   わたしもこれから、「アメシスト」っていうことにしようかな。



 Q40

   エメラルドとかルビーなどでトラピッチェとよばれるものがありますが、
   桜石と同じようなものなのでしょうか。

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 A  くみ

   トラピチェは桜石とはまったくそのでき方が違います。
   桜石はアイオライトの成分が長い時間をかけて雲母に置き換わったもので、
   鉱物的には雲母です。

   一方トラピチェは結晶の断面が六角形のお花のような模様をしたものをいいます。
   ちなみにトラピチェの語源は確か「トウモロコシしぼり機」のことだったと思います。
   その機械に模様が似ていることからそう呼ばれるようになりました。

   1本の六角柱状結晶のまわりに、さらに6本の六角柱状の結晶がくっついた感じです。
   なぜそうなるのかはまだよくわかっていませんが、
   その接合面が別の鉱物であるため、その部分がお花のように見えるわけです。
   ですからエメラルドのトラピチェはエメラルドで、ルビーのトラピチェはルビーです。



 Q39

   埼玉近辺で小学生と採集に行ける様な場所があったらぜひ紹介してください。

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 A  くみ

   いやあ、何度もいっていることなんですけど、インターネットで「埼玉、水晶」とかで
   検索してみればいいんですよ。
   それにmixiとかだったら、関東地方の鉱物採集コミュとかもありますから、
   そこで友達を作って一緒に採集に行くって方法が一番いいと思いますよ。



 Q38

   様々なパワーストーンのアクセサリーを見かけますが、同じと思われるものでも値段もバラバラで
   どれを購入するのが良いのか迷います。良くない石の選び方なども教えて下さい。

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 A  くみ

   良くない「石の選び方」のことかな。
   パワーストーンとして石を選ぶ場合、基本はインスピレーションです。
   ショップで石を見ていて、「ピン」ときたものがあったなら、
   それがあなたにとって今必要な石なのです。

   もし、ピンときた石が2個あったなら、2個とも必要だといわれています。
   ただし、もしそれが3個だったなら「心に迷いがある」ということですから、
   いったん家に帰って心を落ち着かせましょう。

   続いて、もしかして質問が「良くない石」の選び方だったとしたら。
   基本的に鉱物としての質の「良し悪し」はあります。
   しかし、パワーストーンとしては人それぞれ必要なものが違いますから、
   「良くない石」というものはありません。
   間違えて買ってくる可能性はありますよね。だからインスピレーションなのでしょう。

   強いていうなら必要以上に加工されている石は、私はあんまり好きじゃないな。
   アクアオーラとか天然にもあるけど、ちょっとやり過ぎって思うものがほとんど。
   でも、それに何かを感じる人がいても、ちっともおかしなことじゃない。


   結論として、ピンときた石はたとえどんな石でも、良い石ということなのです。

   最後に私からひとつお願いがあります。
   それは、パワーストーンの本ばかりじゃなくって、鉱物の本を読んでほしいということです。
   自然にはどんな石があって、どんな形をしていて、そしてどんな色をしているか。
   それがわかればパワーストーンとして加工されている石が、
   どの程度、手を加えられているのかということもわかるでしょう。



 Q37

   「インカローズ」と呼ばれる由来の縞模様が入ってない物のの方が高価なのは何故ですか?!

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 A  くみ

   インカローズはもともと中南米で多産したことから
   インカのバラということでその名前がついたんですけど、
   今では世界各地で発見されています。

   正式名称をロードクロサイト(菱マンガン鉱)というその石は、
   結晶で産出する場合と結晶でない単なる固まりとして産出する場合の2通りがあって、
   もちろん縞模様の方が単なる固まり。

   水晶とメノウのようなものかな。
   水晶もメノウももともとは石英。
   結晶したか単に固まりになっただけかという違い。


   感覚としても単なる固まりよりも結晶の方が高価なのは想像できる。
   ダイヤモンドやルビー、エメラルドも結晶だからね。
   基本的には結晶でなければ宝石にはならない。
   この石は硬度が低かったため宝石にできなかっただけで、
   結晶はとんでもなくキレイ。
   まるで、まったく別の石みたい。

   縞のない結晶の方が高価なのもわかるね。
   でも、その値段に10倍以上の違いがあるのはビックリ。

   やはりインカローズの結晶は宝石なんだ。



 Q36

   ロードクロサイト(インカローズ)の産地の見極め方を教えて!

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 A  くみ

   ロードクロサイトは世界各地で産出していますから見極めはそう簡単にはできないよ。

   しいていうなら、

   縞のあるもの(非晶) : アルゼンチン産が有名で大多数をしめていると思う。
   縞のないもの(結晶) : アメリカとかペルーかな。

   でも、アルゼンチンからは縞のないものが出ないかというと、そんなことないし。

   だから、一般的なものとしてこれでいいんじゃないかな。

   私は結晶が好きです。
   でも、床の間に飾るんだったら、ある程度大きさのある縞しまがいいな。
   高いけど。



 Q35

   デザートローズの形成方法(どうやって作られるのか?)

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 A  くみ

   砂漠に水がしみ込んだとき、そこに石膏(せっこう:ジプサム)と
   重晶石(じゅうしょうせき:バライト)の成分を取り込んで再結晶します。
   だから、オアシスの近くでしか見つからないらしいですよ。

   石膏の結晶の形も重晶石の結晶の形もハッキリわかっているんですけど、
   砂漠のバラになるとなぜあんな形になるのかはまだよくわかっていません。



 Q34

   ルビーとサファイアが同じ鉱山で発見されないのは何故か。

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 A  くみ

   そんなことないですよ。
   ルビーもサファイアも鉱物的にはコランダムという石に分類されるのですが、
   赤と青を両方持ったバイカラーコランダムもあるもん。

   それにサファイアは青って印象が強いけど、赤(ルビー)以外は全部サファイアだから。
   それぞれの色で産地が違うってことないよね。



 Q33

   どのように採集されているのですか? また、どのような状態で見つかるのですか?

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 A  りょう

   私たちの採集スタイルってことですよね。

   私たちはよく採集の本に書かれているような重装備ってことは一切ないです。
   そこに水があれば長グツをはき、山の斜面ならばトレッキングシューズをはきます。

   使う道具もその場所に合わせたもの。
   水のあるところではスコップ、シャベル、フルイ。
   ないところでは小型のツルハシくらいかな。

   山をガシガシ掘ったり、岩をガンガン叩き割ったりすることはありません。
   ケガをしたり、疲れるからです。

   見つかる状況というと、まずあるといわれているところに行きます。
   川ならば、川底をスコップですくい上げフルイに入れる。
   それを水の中でふるい、細かい砂を落とす。
   目的の石があればフルイのなかでキラッと光ります。

   山の斜面ならば、小型のツルハシでカリカリと表面を引っ掻いていきます。
   それだけなんですが、出るときはちゃんと出てくるんです。
   場所によっては、表面を見ているだけで見つかります。

   やってみると意外に簡単。
   最大のポイントは、その場所に行くか行かないかってことだけ。



 Q32

   グリーンファントムとガーデンクォーツの違いについて教えてください

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 A  くみ

   ぜんぜん違うよ!
   ファントムは水晶の結晶が成長していく段階で上に何か別の鉱物が降り積もり、
   その後さらに水晶が成長していったために、降り積もった別の鉱物が、
   最初の水晶の形を残しているもの。
   いってみれば、初めの水晶の影のようなものかな。
   で、その別の鉱物が緑色をしていた場合、グリーンファントムになるだけだよ。

   それに対して、ガーデンクォーツは水晶が成長する段階で、
   別の鉱物を取り込みながら成長していったもの。
   途中で降り積もったわけじゃないから、不規則に別の鉱物が入っている。
   それがまるで森や庭園みたいに見えるからガーデンクォーツって呼ばれているんだね。



 Q31

   ルチルクォーツの詳しい情報(色違いの出来方など)

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 A  くみ

   ルチルクォーツって詳しいことをいうと、詳しくなくなっちゃうんだよね。

   ルチルクォーツっていうと、あの針のようなものが入っているものを指すよね。
   ま、だいたいはルチルが入っているんだけど、そうでないものもある。

   例えばトルマリンだったり角閃石とかだったりする。
   でも、それで売り出してもルチルクォーツほどは売れないらしいんだ。

   そういうわけで、針状のものが入っている水晶は全部ルチルクォーツとして売られている。
   色がいろいろある理由はそんなところにあるのかもよ。
   ちなみにブラックルチルはトルマリンだったりしてる。



 Q30

   石の名前は誰が決めたのか? について教えてください

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 A  くみ

   正式名称は、鉱物の学会で決めているそうで、
   その石の発見にゆかりのある人物名や地名を元に学会で承認を得て決定されています。

   そこが、星とは違うところですよね。
   星はとにかく最初に見つけた人が好きに名前を付けていい。
   だから、「たこやき」とか「アンパンマン」なんて星もあるわけです。

   鉱物は石だけあってそのあたりがカタイ。
   ふざけた名前は却下されちゃいますから。

   正式名称として英名がひとつ。日本の場合、日本名がつく場合もある。
   ダイヤモンド(金剛石:こんごうせき)のような感じ。
   だから日本では正式名称は最大で2つある。
   これは別に問題ない。


   問題はその後、店頭で売られるとき。
   少しでも購買意欲を高めるために売る側が勝手に名前を付けてしまう。

   それの代表的なものが宝石名。
   ルビーもサファイアもエメラルドも正式名称ではなく宝石名。

   ルビーとサファイアの正式名称はコランダム(鋼玉:こうぎょく)。
   エメラルドはベリル(緑柱石:りょくちゅうせき)。
   さらにベリルには色違いでアクアマリンやモルガナイト、へリオドールなどの宝石名がある。

   ここまでは歴史的なこともあるから認めるとしても、
   どうしても認められないモノがある。

   それは、ひとつの石にまったくゆかりのない別の石の名前を付けてしまうこと。
   もちろんそれは消費者に買わせるために、色の似ている石をそれっぽく見せるためだ。

   例えばペリドットという緑の美しい石がある。
   ペリドットは有名な名前だけれど、あくまでも宝石名。
   正式名称はオリビン(橄欖石:かんらんせき)。
   ところが、この石を少しでも高級に見せるために、
   イブニングエメラルドという名前をつけて売っている。

   今現在でも売っている。
   知らない人はちょっと特殊なエメラルドだと思ってしまうだろう。
   このようにつけられた名前をフォルスネームといって、私はこれが大嫌いだ。
   ハッキリいって許せない。

   このようなフォルスネームはたくさんあって、それを信じている人もたくさんいると思う。

   このことを「宝石・鉱物おもしろガイド」で批判したら、業者からクレームがいっぱい来た。
   なーんでクレームが来るのかなー?
   なーんかマズイことでもあるのかなー?



 Q29

   マーカサイト(白鉄鉱)とパイライト(黄鉄鉱)の違いを教えてください

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 A  くみ

   じっと見ていて、黒くなっていくのがパイライト。
   粉になっていくのがマーカサイト。

   ダメカナ?




   ダメダヨ!


   うーん、こんな説明じゃダメだよね。
   じっと見ていてっていうのも何年も何十年もの話しだし。

   このふたつの石、まったく同じ成分(鉄と硫黄)でできている同質異像(どうしついぞう)の鉱物。
   できるときの温度とか圧力でマーカサイトになったりパイライトになったりする。
   ただ、マーカサイトに関しては、徐々にパイライトに変化していくという性質を持っている。

   パイライトに変化していくという性質も、これは地中での話しで、
   掘り出されたものを放置して置いてもパイライトにはならない。
   最初に書いたとおり、粉々になっていくだけ。
   最終的に粉々になるのはパイライトも同じだけど。


   見た目の違いというと、やはりマーカサイトは白っぽくて、
   パイライトは黄色っぽい。
   白鉄鉱と黄鉄鉱なんだから、そのまんまなんだよ。

   やはり、石の名前は英名だけじゃなくって日本名も憶えるべき。
   日本名はその成分や見た目の違いがそのまま表現されている。
   英名からはその石の姿を想像することがむずかしい。


   日本語はそれだけ優れているってことかな。



 Q28

   水晶のなりたちってどんなものなのでしょう
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 A  りょう

   「成り立ち」っていうと、でき方ってことですよね。
   そうするとちょっと難しくなるなあ。
   簡単に大まかにいきますよ。

   まず地下深くにあるマグマが火山などのマグマだまりで冷えて固まるとき、
   その中に含まれている水蒸気やガスなどが上方に追いやられて1か所に集中していきます。
   で、それらも最終的には固まるわけなんですが、最初に固まった下の方と比べて
   体積に余裕があるわけです。
   ガスとかですから、冷えると体積が減りますから。
   その状態で固まった岩石は、ギチギチではなくどちらかというとユルく、
   なかには大きな空洞ができたりします。
   そういう岩石をペグマタイトといいます。
   水晶はそこで空間的な制約をあまり受けずに、その特徴的な形で成長します。

   これは一般的な宝石のでき方でルビーやエメラルドも同じ。
   そこにルビーができるのか水晶ができるのかは、そのマグマが含んでいる成分次第。


   ちなみに、「成り立ち」としては、二酸化珪素が結晶することで水晶として成り立っています。



 Q27

   ファントム水晶の出来方について教えてください

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 A  くみ

   ファントム(山入り)水晶って不思議だよね。
   だって、水晶の中に水晶が入っているんだもの。

   何万年も昔にいったんできあがった水晶に埃とか他の鉱物がつもり、
   そしてその後あらたに水晶が成長していったんだと思う。

   だから、最初の水晶の頭の形だけが、そのとき積もった鉱物によって型取られて見える。
   初めの水晶の影のようなものかな。



 Q26

   ターコイズ(トルコ石)の見分け方(ねりかどうかなど)はありますか

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 A  くみ

   水で洗って色落ちしたらダメでしょう。
   水だけでなく、着色ものは溶剤でも色落ちします。
   トルコ石の粉末を固めた「ねり」に関しては、樹脂でコーティングされているので、
   薬品や紫外線に強いですから、溶けたり色変わりしたりしなければそれです。

   って、こんなこと買う前に確認できません!
   買った後はなおさらできません。
   そもそも、一般的なトルコ石は結晶じゃないですから、水で洗うなんてもってのほかです。
   ですから、これもお店を信用するしかないです。

   パワーストーンショップやファンシーショップは正直でいいですよね。
   ハウライトというトルコ石にそっくりな白い石を青く着色したものを、
   「ハウライトターコイズ」って正直に売っていますもの。

   問題なのは中途半端な店(百貨店の1Fあたりの)。
   どうしても心配なら、鑑別所を取ればいいんです。
   でも、1万円から1万5千円くらいかかります。
   1万円の石にそれはできないよね。
   だから本にも書いたように、「トルコ石は買わないことがベスト」ってなっちゃうんですよ。

   ところで、宝飾品として売られているトルコ石も処理石がほとんど。
   トルコ石は基本が青だけど、緑っぽいものもある。
   そして、それ以外にかなり白っぽいものもあって、
   それに青を着色していることがかなり多い。
   処理はしているけど、トルコ石に間違いはない。

   売られているトルコ石って、どういうふうに処理されているのか調べてみるといい。
   きっと、愕然とするから。



 Q25

   日光に当てなくてもローズクォーツが退色するのはなぜですか

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 A  くみ

   天然のものはどんなものでも日光には弱いものです。
   それは、その中に含まれている紫外線によります。
   紫外線は例え直接日の光にあてなくても、カーテンのスキマからでも入ってきます。
   深夜でも紫外線がゼロとはいえません。

   色の淡いものはUVカットのケースに入れておくか、
   まったく光が入らないようにして保管しなければなりません。

   それでも、ゆっくりと色は失われていくでしょう。
   天然のものとはそういうものだと思っておかなければなりません。

   形あるものはいつかなくなる。
   それも、もののあはれなり。



 Q24

   クンツァイトはリチウムが入っているからうつ病に良いといわれています。
   何故なら炭酸リチウムはうつ病の薬に使われているから。
   といった石の成分、内包物などについて詳しく知りたいです。

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 A  りょう

   えっ?! 本当ですか?
   「炭酸リチウムが鬱病の薬に使われているから
                  リチウムの入っているクンツァイトは身体にいい」ってことですよね。

   じゃあ、カリウム(K)と炭素(C)と窒素(N)は身体になくてはならないものだから、
   その3つが含まれているKCN(青酸カリ)は体にいいってことですか?

   もしそんなことを本気で信じている人がいたら、リチウム電池でも渡してあげてください。


   ※ クンツァイト − リチア輝石(スポデューメン)のピンク色のもの。
                同じリチア輝石でも、緑のものはヒデナイトという。
   ※ 青酸カリは猛毒です。



 Q23

   パイライト(黄鉄鉱:おうてっこう)にカビらしきものが生えてくるのは何故ですか?

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 A  くみ

   パイライトの化学式はFeS2。
   硫化鉱物で、放置しておくと空気中の水蒸気と反応して硫酸を作ってしまいます。

   そのパイライトが置かれている状況を見なければ何ともいえませんが、
   発生した硫酸が原因であることは想像できます。

   硫酸というと危険な印象があります。
   もし、裸のまま服のポケットに入れっぱなしにしておくと、
   いつの間にかそこがボロボロになっているでしょう。

   パイライトは毎日、キレイに乾拭きしてあげましょう。



 Q22

   タイガーズアイのシャトヤンシーが“眼”の様にハッキリ入っているのが良いとする文献や、
   茶色い模様がハッキリ入っている方が良質とするものがあります。
   本当のところはどうなのか知りたいです。

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 A  くみ

   それぞれの本を書いた著者の好みなんじゃないのかな?
   その著者が宝石好きならばシャトヤンシー優先。
   鉱物好きならば模様を優先する場合もあるかもしれないね。

   タイガーズアイ(虎目石)って繊維状のクロッシドライト(青石綿:アスベスト)に
   石英(クォーツ)がしみこんだもの。

   そのクロッシドライトが細かければ細かいほど
   ユラユラとしたシャトヤンシーがハッキリ見える。

   一般的にはシャトヤンシーがよりでているものの方が
   キレイとされているね。

   ただし、原石の状態ではシャトヤンシーは見ることはできないよ。
   あくまでもカット研磨してはじめてシャトヤンシーはでるんだから。


  「〜目石」というと、他に青いホークスアイ(鷹目石)と
   赤いレッドタイガーズアイ(赤虎目石)がある。

   じつはこれらの石はみんな同じ石。
   シャトヤンシーの元になっているクロッシドライトは日本名で青石綿というとおり青い。
   そこからもわかるように、まず初めにホークスアイができる。
   それが酸化してタイガーズアイに。
   さらに酸化してレッドタイガーズアイになる。

   このことを考えてみると、ホークスアイがもっとも良質といえるかもね。
   ちょっと質問と方向が違ったかな。



 Q21

   ガーネットとグリーンガーネットは、どう違うのですか

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 A  くみ

   ガーネットは基本的に2つの色を持っています。
   ひとつは赤、もうひとつは緑です。赤も緑もガーネットに違いはありません。
   多くの人はガーネットというと赤と思いがちなため、
   緑のモノをわざとグリーンガーネットと呼んでいるにすぎません。
   そういうわけで緑をしたガーネットはありますが、
   グリーンガーネットという名称はないと思ってください。



   ガーネットには大きく分けて6種類あります。

   アルマンディンガーネット(鉄礬石榴石:てつばんざくろいし)
   パイロープガーネット(苦礬石榴石:くばんざくろいし)
   スペサルティンガーネット(満礬石榴石:まんばんざくろいし)

   グロッシュラーガーネット(灰礬石榴石:かいばんざくろいし)

   ウバロバイトガーネット(灰クロム石榴石:かいクロムざくろいし)
   アンドラダイトガーネット(灰鉄石榴石:かいてつざくろいし)


   上の3つの基本色は赤。
   グロッシュラーは無色。
   下の2つは緑。

   すべてのガーネットはこのいずれかに分類されます。
   ただし、それぞれの成分は連続して変化していくため、ふたつのガーネットの中間もあります。
   宝石店で売られているロードライトガーネットは、パイロープに分類されますが、
   正確にはアルマンディンとパイロープの中間に位置しています。

   キレイな緑のデマントイドガーネットはアンドラダイト。
   近年、非常に話題になったレインボーガーネットも、
   アンドラダイトに分類されます。
   マンダリンガーネットはスペサルティンです。

   もちろん色が濃くなりすぎて真っ黒になったものや、
   オレンジやピンク、無色のガーネットもありますが、
   だからといって、ブラックガーネットとかピンクガーネットとはいいません。

   それらも含んでいる成分の量が違うだけで、上記6種類のいずれかです。


   ちなみに、マンダリンは柑橘系のマンダリンオレンジから来ています。
   そのオレンジが黄色〜オレンジ色になっているときをマンダリンオレンジ。
   オレンジ色〜赤になったときをタンジェリンオレンジといいます。おもしろー。



 Q20

   御影石など、その土地で取れる石・岩石がありますが、天然石で言うと何になるんでしょう?
   熊本で取れる石(その土地でしか売ってない石)などありますが・・・

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 A  くみ

   どれも花崗岩(かこうがん)でいいと思います。
   御影石自体も花崗岩です。
   ただし、御影石にも赤御影、黒御影、白御影があって、それぞれ用途がちがいます。

   御影石は堅くて丈夫なので、主に墓石などに使われます。
   ひとくくりに御影石と呼んでいますが、採れる産地の名前を頭に付けてブランド力を上げています。
   「真壁石」など。

   カニと同じですよ。
   ほら、ズワイガニと越前ガニとマツバガニって、まったく同じ種類のカニでしょ。
   それぞれの地方により呼び名が違うだけ。



 Q19

   ホワイトオパール・ブラックオパール・ボルダーオパールの成分的な相違点。

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 A  くみ
   
   オーストラリアのクイーンズランド広範囲でホワイトオパールは産出しています。
   ブラックオパールはその近くのライトニングリッジで世界で唯一の産出です。
   ホワイトとブラックの成分的な違いはまだよくわかっていません。

   ボルダーオパールはボルダーを「母岩」と訳せばいいと思います。
   岩石の中に脈状に入ったオパールを、その岩石ごと切り出したものを一般的にそう呼んでいます。
   正確にはもうちょっとややこしいんですけど、基本的にそう思っておけばヘーキです。



 Q18

   黒スイショウとスモーキーの違いはなんですか

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 A  くみ

   黒水晶(モリオン)と煙水晶(スモーキークォーツ)は基本的に同じものです。
   発色の原因がどちらもアルミニウムイオンですので、違いは黒の濃さだけです。

   それぞれの水晶に光をあてて、透過したら煙水晶、透過しなければ黒水晶でいいです。



 Q17

   アフリカンターコイズとターコイズの違いを教えてください

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 A  くみ

   南アフリカのブルー鉱山で採掘される、ちょっと緑がかったターコイズがアフリカンターコイズです。
   ちょっと緑がかっている、というよりハッキリ緑です。
   でも、ターコイズ(トルコ石)に違いはありません。

   もともとターコイズは中東で産出し、トルコを経由してヨーロッパにもたらされたことから
   「トルコ石」と呼ばれるようになりましたが、
   現在はアメリカアリゾナのスリーピングビューティ鉱山のものが
   一般的に誰もが想像するターコイズを産出しています。

   もともとアメリカにあったものをネイティブアメリカンがすでに使っていたんだろうな。
   だからインディアンジュエリーといわれているんだろうね。




 Q16

   クリソプレースとバリサイトの見分け方を教えてください

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 A  くみ

   クリソプレース(緑玉随)とバリサイト(バリッシャー石)ですね。
   見分けるも何も、ものがぜんぜん違います。

   クリソプレース
は石英の鉱物「SiO2」で水晶の親戚。
   バリサイトはアルミニウムとリンの鉱物「Al(PO4)・2H2O」です。
   しかも、バリサイトには結晶水という水が含まれているので、
   乾燥させたり熱を加えるとその水が抜けて色が変わってしまいます。

   クリソプレースは青リンゴのような色が基本。
   バリサイトはメロンのような色が基本です。

   ですが、アップルグリーンのクリソプレースは鉱物的に見ると基本色なんですが、
   ビーズとかになると、それは最高級品だったりするわけです。
   よって、価格を抑えるとどうしても質の劣ったものになってしまうんですよね。

   バリサイトの「色の良いもの」と、
   クリソプレースの「色の悪いもの」は似ているのでちょっと心配。

   しかも原石ならまだしもビーズなどに加工されてしまった場合はわかりにくくなります。

   これはもうお店を信用するしかありません。
   ただ、前に経験したことがあるのですが、
   ビーズを買ったときに違う石がひとつだけ混ざっていたことがありました。
   そのときは気づいてお店の人にいったのですが、
   気づかないほど似ている石もありますので、
   お店の方でも注意してもらいたいですね。



 Q15

   赤緑青めのうは色が濃いほうが良いのでしょうか、透明感があり色の薄い方が良いのでしょうか

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 A  くみ

   はじめに断っておきますが、
   お土産店などでよく見かけるカラフルなめのう製品はほとんど着色です。
   ですので、どちらがいいということはありません。
   あくまで好みの問題です。

   ちなみに私は透明感があって色の淡いものがスキです。




 Q14

   赤めのうとカーネリアンの境目はどこでしょうか

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 A  くみ

   境目はありません。同じものです。
   日本語と英語の違いかな。
   石の名前を憶えるときは日本名と英名の両方を憶えましょう。
   ちなみに「赤縞めのう」は「サードニクス」といいます。



 Q13

   自色性と他色性の違いについて教えてください

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 A  りょう

   もともと鉱物としてその石が色を持っている場合、それを自色といい、
   本来透明であるにもかかわらず他の要因で色がつく場合を他色といいます。

   例えばルビーやサファイアは鉱物名をコランダム(Al2O3)といいますが、
   コランダムはもともとは無色です。

   そこにクロムイオンが入り込むと赤に、鉄イオンやチタンイオンならば青に発色します。
   この場合クロム・鉄・チタンイオンはコランダム生成には関係ありません。

   ところが、ガーネットの一種であるアルマンディンガーネット「Fe3Al2(SiO4)3」は
   その成分の中に色の原因となる鉄(Fe)イオンを持っています。
   鉄イオンがないとアルマンディンガーネットはできません。

   ちょっと難しくなっちゃいますが、
   中学や高校で元素の周期表というものを習ったのを憶えていますか。
   スイヘーリーベ っていうアレです。

   その周期表を見ていると、自色性の鉱物と他色性の鉱物がそれぞれ含んでいる成分に、
   ある共通点を見いだすことができます。

   簡単におおざっぱにいうと、
   原子番号20番までの元素でできている鉱物は無色。
   21番以降の元素が含まれている鉱物は色を持っています。

   えー、あくまでもおおざっぱですよ、「正確じゃない」という苦情はご遠慮ください。



 Q12

   スモーキークォーツは色が濃いほうが良いのか?また着色とそうでない物との見分け方。

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 A  くみ

   色が濃いか薄いかは好みだと思うよー。
   関東系のうどんと関西系のうどんのどっちが良いかってことと同じじゃん。

   ところで、水晶の着色については専門家でもほとんどわからないと思うよ。
   エメラルドだったら天然のものは必ずインクルージョンが入っているっていう特徴があるけど、
   天然に見せるために人工的にインクルージョンを入れている場合もあるからね。
   困ったものだ。
   熱処理したものなら顕微鏡で見た場合、内包物が溶けてるとかで確認できる場合もある。
   煙水晶なんかは放射線をあてて着色しているんだけど、
   天然のものでも自然の放射線で着色されているから、着色原因としては同じなんだよね。

   うどんは関西系の方が好き。



 Q11

   水晶のホンモノとニセモノの見分け方

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 A  くみ

   しいていうなら、条線(じょうせん)の有無かな。
   条線とは天然結晶の結晶面にできるスジのこと。
   水晶ならば横に入っている。

   合成水晶はポイントの形にならないから、そこからそれぞれの形に削りだす。
   だから、条線はないよね。
   条線のあるものは少なくとも天然だと思っていいと思うよ。
   じゃあ、条線がなきゃダメなのかというと、それは人それぞれ。
   天然のものをよりキレイに見せるために表面を磨いた場合も、条線はなくなるからね。

   単なる石英の固まりから水晶の形を削りだしたものも天然といえば天然だよね。
   形が天然でないだけで。

   合成石を除外した場合、形に手を加えただけで天然とはいわないということになると、
   宝石店で売っている宝石は全部ニセモノになっちゃうよ。
   自分の価値観がどこにあるかによっても本物と偽物って変わってくると思う。

   もし、水晶玉のことをいっているのだったら、あれはほぼ全部ニセモノだよ。
   ガラスの固まり。
   ボーリングの球みたいな水晶玉は100万円でも買えるかどうかわからない。
   新品でものすごく安い水晶玉があったら、とりあえずガラス玉だと思っといていいよ。



 Q10

   歴史については選んだ参考文献によって色々と変わってしまう気がします。
   歴史の話は読んでいてとても楽しいのですが、少しそこのところが気になります。

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 A  くみ

   私たちも歴史については、慎重に書いているつもりです。
   たとえば、聖書の誕生石の元になっている記述のところについてなんですが、
   聖書の種類や版によって書かれている石が違うんですよね。

   ある聖書にはサファイアと書いてあるところが、別の聖書ではラピスラズリになっている。
   また、ヒヤシンスと書いてあるところがサファイアになっている。

   いったいどれが正しいのか。
   そもそも、ヒヤシンスって何? って感じ。

   これは時代や地域によって石の名称が異なっていたからなんです。

   ラピスラズリはその昔、サファイアと呼ばれており、
   サファイアはヒヤシンスと呼ばれていたんです。
   結局は同じ石だったんですね。
   ちなみに、現在ヒヤシンスというとジルコン(風信子石)をさしています。

   このようなことはたくさんあって、本を一冊読んだだけでは誤解して憶えてしまいます。

   ですから、何かを調べようと思ったら最低でも2冊以上の文献を用意する必要があります。




 Q9

   インカローズのポイントまたはクラスターなどは有るんでしょうか?
   水晶などは一般的には有りますが…どうなのでしょうか。

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 A  くみ

   ポイントというと、水晶のように角柱の先が錘になっている石のことで、
   パワーストーンファンの間で使われている用語です。
   ポイントとはその形のことを指しているため、
   天然の形であるか加工してその形になっているかの区別はありません。
   ですから、ガーネットのポイントもあり得るわけです。まだ見たことないですが。
   一方、クラスターは結晶がひとつの母岩にたくさんついているものをいいます。
   これは、あくまでも天然の結晶がついているものをいいますから、
   結晶にならない石の場合、クラスターはあり得ません。

   さて、ご質問のインカローズは
   鉱物名をロードクロサイト、(和名:菱マンガン鉱)といいます。
   この石は大きく分けて結晶のものと結晶になっていない非晶質のものの2種類があります。
   結晶と非晶質というのは水晶と瑪瑙のようなものです。
   石英が結晶になれば水晶。ただ固まったものを瑪瑙と呼んでいます。

   まず一般的なショッキングピンクと桃色(ミルキーピンク)の縞状
   もしくは同心円状のものは非晶質です。
   非晶質ですから水晶のような形にはなりません。
   強いていうなら、鍾乳石がウニョウニョウニョウニョと指のように立ったものならあります。
   一見クラスターっぽく見えますが、結晶ではないのでそうではありません。
   パワーストーンショップでは、この状態で売られていることはほとんどありません。
   なぜなら、縞々が見えないからです。 よって、それをポイントに加工したものをよく見かけます。

   では、結晶はどうなんだというと、これもまた非常にキレイです。
   形は「菱」マンガン鉱というくらいですから菱形の面を6つ持った立体で、
   水晶のような形ではなく、ガーネットのようなコロッとした形をしています。
   ですから、クラスターはありますが、水晶の形を想像してはいけません。
   また天然のポイントは「ない」ということになります。
   そして、これが重要なのですが、結晶なので縞がありません。1色です。
   縞模様が好きな人には不向きでしょう。
   値段はむちゃくちゃ高いです。
   親指と人差し指でわっかを作ったくらいの母岩に、
   5ミリくらいの結晶がついて、1万円からというところでしょうか。
   不透明で形のハッキリしない結晶ならば、もっと安くて、800円というのも見たことがあります。



 Q8

   広島県に住んでいます。水晶を採りに行きたいのですが、近くで採れるところはありますか。

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 A  りょう

   ぐぬぬぬぬ……、ばかものっっ!!
   こんなところで相談しているひまがあったら、ヤフーでもグーグルでもよい、
   「水晶 採集 広島県」でとっとと検索するのじゃ!
   道はおのずと開けよう。



 Q7

   新聞折り込みチラシに某百貨店通信販売で ダイヤ付きヒスイ5カラットのペンダント
   リング イヤリングが5万円3点セットだと13万円と出てました。写真も綺麗な緑で本物かい?
   ゼロが桁付け間違いじゃないかとと半信半疑…。
   ミャンマー品だって単品でも数十万するし。天下の東○がまがい物扱うはず無いし…。

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 A  くみ

   通販で5万円というのは、割とよくある金額で高いとはいえません。
   ただし、通販は商品を見ることができませんから、その金額に見合う石かどうかは別の話です。
   現物を見ていないので何ともいえませんが、まがい物でないということを前提にしても、
   数十万円するものもあれば数万のものもあります。

   よくある話としては「わー、こんなキレイな色、すごーい」と思っても、
   宝石業界的には「いい色とされていない」場合もあります。
   そういう石は値段が下がります。
   特に写真は、光の加減で色はどうにでもなってしまいますから、
   写真の色がその石そのままの色だとはけして思ってはいけません。
   例えば、宝石店で「わーキレイ!」と思って買ってきたルビーを家で見てみると、
   「あれー、こんな色だったっけ?」ということが多々あります。
   宝石店は宝石をキレイに見せるライティングをしているので注意が必要です。
   親切な宝石店では、自然光で色を確認させてくれます。

   ひとつおまけに。
   同じ5カラットでも、ダイヤモンドのカットのように、
   だいたいの大きさのわかるカットならば、まだわかりやすいです。
   でもヒスイなどのカットに使われる丸いドーム型のカボッションカットだと、
   その厚さの違いで大きく見えたり小さく見えたりします。
   これは完全に「好み」の問題ですから、それこそ手にとって確認しなければなりません。



 Q6

   アメジストは太陽光で退色するって書いてありましたが、保存はどうされていますか。

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 A  くみ

   多くの方から受けた質問です。
   採集したアメジストはとにかく明るいところに出さないようにしています。
   ケースにも黒い紙をかぶせて見えないようにしています。
   もちろんダンナにも勝手に開けさせません。
   私の許可が必要です(笑)。
   以前に採集したブルートパーズが、あっという間に退色してしまったことがあって、
   それ以来ちょっと神経質になっています。
   売られているアメジストは、太陽光に当て続けなければ大丈夫です。




 Q5

   宝石店で扱っている宝石は、どんなものが多いのですか。

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 A  くみ

   有名どころの石がほとんどです。
   ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、オパールは
   どの宝石店にも必ずあります。
   宝石は「キレイであること」「希少であること」「硬いこと」の3つが条件です。
   この「硬いこと」というのは硬度7以上を指しますが、7を越える石は、
   8トパーズ、9コランダム(ルビー&サファイア)、10ダイヤモンド
   しかありません。
   その他の宝石はほとんどが、6.5〜7.5の間なのです。
   その中で特にキレイなものが宝石になります。
   もちろんオパールなどの例外もありますが。
   希にですが、店主が鉱物好きという宝石店があります。
   そんなお店を見つけると楽しいですよ。
   えっ?! っていうような石が指輪になっていたりします。
   私は一度、とんでもなく美しいスフェーンとデマントイドの指輪を見たことがあります。
   でも、むやみに高い値段が付いているんですよね。




 Q4

   あるホームページで青ヒスイ拾ったと写真アップしてありましたが、
   くすんだような色に見えて青?に見えない。
   去年FMM(フォッサマグナミュージアム)に越中宮崎海岸で見つかったという
   小さい青ヒスイ展示されてたけど、青ヒスイは見つけやすいんですか?

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 A  りょう

   青ヒスイ。ひと言でいうなら、それは夢のヒスイです。
   見つけやすいなんてとんでもないです。極めて見つかりにくく、
   そして信じられないほど美しいのです。
   以前はコバルトヒスイと呼ばれていたこのヒスイ。
   真に上質なものは青ではなく濃紺。しかも光が通ります。
   フォッサマグナミュージアムの展示室には緑ヒスイは数あれど、
   青ヒスイはほんのわずかしかありません。
   さて、なぜそんなに見つからないのかというと、
   数が少なすぎるということもありますが、
   その色のために、他の石たちと見分けがつかないからです。
   地元の名人たちですら、気づかずに踏んづけて通り過ぎていきます。
   見分けるポイントは形だけ。
   同じように黒っぽく見える石の中でも
   イビツな形のものをチェックしていくしかありません。気が遠くなります。

   そしてもし、上質の青ヒスイを見つけ、
   鑑定してもらうためにフォッサマグナミュージアムに持ち込むと、
   大変なことになります。確実に返してくれません。
   「ぜひ展示させてくれ」と説得され、「うん」というまで帰してくれません(おおげさ)。
   もちろん、すばらしく光栄なことであります。




 Q3

    先日、糸魚川で採ったというこぶし大のヒスイをもらいました。
    カット面を研磨中なのですが、その反対側のでこぼこの表面には
    青色の顔料がベッタリ塗られており、とるのに大変手間がかかりました。
    なんで、塗ってあったんでしょうか。

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 A  りょう

    同じような状況にあるヒスイを青海川橋立の天然記念物指定区域内でみたことがあります。
    それは、ひと抱え以上ある大きさヒスイの全面に、ベッタリとペンキが塗られ河原に置かれ
    ていました。
    誰が塗ったのかというと、フォッサマグナミュージアムの学芸員の先生でした。
    なぜ、そんなことをするのか。
    盗まれるからです。
    もちろん、人の力では到底持ち上がりませんが、悪質な業者は機械を使って持っていくそうです。
    よって、ミュージアムで保管するまでは、そこにヒスイがあることを気付かせないようにするた
    めに、保護色としてペンキを塗るのだそうです。
    お手元にあるヒスイは、もしかしたら似たような経緯をたどっているものなのかもしれません。




 Q2

    こんにちは。私はパワーストーンに興味があります。
    同じ宝石のことなので、それらについては書かれないのですか。

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 A  くみ

    はい、ここは私がお答えします。
    宝石と鉱物は学術的にもそのままイコールでつながると思うんですけど、パワーストーンは
    そうじゃないって思っています。
    パワーストーンって実は私もけっこう好きなのですが、ジャンルとしては「占い」ですよね。
    どっちがどっちというわけではなく、区別したいと思っています。



 Q1

    BE−PALを読んで鉱物採集を始めたものです。よろしくお願いします。
    ところで、いろんな本に書かれている産地の地図を参考に現地に行ってみるのですが、
    地図どおりに行くと産地にたどり着けないことが多いのです。
    土地の人に訊いて何とかたどりつくと、地図とはまったく違った場所だったりします。
    本に書かれている地図はなぜ間違っているのでしょうか。
    ワザと間違えているのではと思うくらいです。


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 A  りょう

    記念すべき第1番目の質問です!
    そうですねよえ、確かに多くの地図は近くまでしか行けないようになっていますねえ。
    地図が間違っているということに関しては、私もワザと間違えていると思っております。
    産地保護という理由もあるのでしょうが、「本当に行きたいのならば自分で探せ」ということ
    なんじゃなかろうかと私は考えております。
    本にも書いたのですが、やはり情報は最低2か所から仕入れるべきでしょう。
    間違っていないまでも、遠回りのコースが書いてある場合もありますからね。
    よって、書籍に書いてある地図は、産地へ行くためのヒントですね。
    そう認識しておいた方が、確実にお宝に近づけるでしょう。
    どうですか、答えになってます?








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